
住宅ローンの金利が上がったらどうしよう…
そんな不安を抱える方は少なくありません。毎月の住宅ローン返済額が増えてしまうと、家計に大きな影響を与えますよね。
とくに変動金利で住宅ローンを組んでいる場合、将来の金利上昇リスクは避けられません。
私自身も同じ悩みを抱えていました。2012年に変動金利で住宅ローンを契約し、一軒家を購入。しかし、将来の金利上昇に不安を感じ、2016年に一度目の金利引き下げ交渉を行いました。そして、最近2度目の金利引き下げ交渉にチャレンジしました!
金利引き下げに成功すれば、毎月の返済額を抑え、浮いたお金を貯蓄や他の支出に回すことができます。そのためにも、金利引き下げの方法を理解し、適切な準備をすることが大切です。
住宅ローンの金利を下げる方法は、大きく分けて2つ。
- 現在の銀行に金利引き下げ交渉をする
- より条件の良い銀行へ借り換えをする
どちらの方法を選ぶかは、現在の金利や借り換えにかかる手数料、将来の金利動向を考慮して決める必要があります。
「金利交渉なんて難しそう」「借り換えの手続きが面倒」と感じる方もいるかもしれません。ですが、適切な準備をすれば、意外とスムーズに進められます。
この記事では、私が実際に2回の金利引き下げ交渉を行った経験をもとに、具体的な手順や注意点を詳しく解説します。
また、金利交渉や借り換えをスムーズに進めるために役立つツールやサービスも紹介します。

「今の住宅ローンのままでいいの?」と気になっている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね!


第1回目の金利引き下げ交渉体験|0.77%→0.6%の成功事例

2016年頃、我が家は初めて住宅ローン金利引き下げ交渉に成功し、変動金利を0.77%から0.6%に下げることができました。
交渉をスムーズに進めるため、最初に以下の2点を伝えました。
これを伝えると、意外にもすんなり交渉が進みました。
銀行にとって、顧客が借り換えによって一括返済すると、将来的に得られるはずの利息収入がなくなってしまいます。そのため、他行への流出を防ぐために、金利の引き下げに応じてもらえる可能性があるのです。
また、借り換えには手続きや手数料の負担がかかりますが、今回は現在の銀行で金利を下げてもらえたため、手軽に毎月の支払を軽減できました。
金利交渉のきっかけは「夫のうつ病」と家計見直し
金利引き下げ交渉を決意した背景には、夫のうつ病と家計の見直しという事情がありました。
我が家は2012年に横浜銀行で住宅ローンを契約し、新築一軒家を購入。しかし、4年経った頃、夫がうつ病を発症。朝起き上がることも難しくなり、メンタルクリニックで診断を受けた結果、長期休暇を余儀なくされました。
休職中は健康保険組合から傷病手当金が支給されましたが、家計を維持するには貯蓄を切り崩すしかなく、当時次女が産まれたばかりの私は専業主婦でした。
傷病手当金の支給は最長1年6ヶ月。しかし、夫の回復には時間がかかり、復職のめどが立たないまま支給期限が迫っていました。
「このままでは貯金が底をつくかもしれない」
そう感じた私は、家計の固定費を見直すことを決意。その中でも住宅ローンの金利引き下げは、毎月の支出を大きく抑えられる有効な手段と考えました。
しっかり事前準備!あっさり交渉成功!
交渉に入る前に、りそな銀行に事前審査を申し込みました。
そこで提案された3パターンのうち、一番金利が低かったのは固定金利選択型10年で0.45%というものでした。
この場合、11年目以降の金利が読めないリスクがあります。そこで、現在の銀行(横浜銀行)に対し、以下のように交渉をもちかけました。

りそな銀行で事前審査を申し込んだところ0.45%の提案書をいただきました。とても魅力的ですが、できれば借り換えせず継続したいと考えています。少しでも金利を下げてもらえないでしょうか?

0.45%までは難しいですが、0.6%で対応可能です。
実は当時、横浜銀行の住宅ローン変動金利は0.6%というプランが案内されていました。そのため、交渉を通じて適用可能な最低金利に引き下げてもらえた形になります。

本来、りそな銀行への借り換えには52万円の手数料がかかる予定でしたが、借り換えをせずに金利を下げてもらえたため、その費用を節約できたのも大きなメリットでした。
実際に節約できた金額
交渉のタイミングが成功の鍵だった!
今振り返ると、交渉のタイミングが1年遅れていたら成功しなかったかもしれません。
なぜなら、住宅ローンの金利引き下げ交渉や借り換え審査では、前年度の年収が重要な判断基準となるからです。
交渉当時は、夫の年収はまだ大きく減少していませんでした。しかし、その後数年間は休職が続き、年収が下がることに…。もし交渉のタイミングが1年後だったら、銀行側から提示される金利も高くなり、交渉が難航した可能性があります。
また、団体信用生命保険(団信)の問題もあります。
団体信用生命保険に加入するためには、直近の健康状態を正直に告知する必要があります。うつ病は告知対象となるため、診断後の借り換えはほぼ不可能になってしまいます。

結果として、我が家は借り換えという選択はなく、交渉で金利を下げてもらうしか方法がありませんでした。
第2回目の金利引き下げ交渉にチャレンジ!

前回の金利引き下げ交渉から7年経過した今年、2回目の金利引き下げ交渉にチャレンジしました。
金利引き下げ再交渉のきっかけはFP相談でのアドバイス
再交渉をしようと思い立ったきっかけは、保険チャンネルのFP無料相談で以下のようなアドバイスをもらったことです。
夫も無事職場復帰。収入が安定してきたところで改めて家計状況を整理しようとFPさんに相談したのです。

住宅ローンの固定金利が引き上げられたとニュースで見ました。
変動金利の金利も上昇しそうで心配です。
今のうちに変動金利から固定金利に乗り換えた方が良いのでしょうか…?

固定金利が上がったからといって、すぐに返済額に影響はありません。
金利の変更は何回でもできるので、再度引き下げ交渉をしてみてください。
もし金利が下がればその分を貯蓄に回し、将来の金利上昇に備えることができますよ。
もう一度金利交渉をするという発想はありませんでした!
夫は2度目の休職期間を経て昨年復帰したばかり。年収は休職前と比べてまだ低いものの、横浜銀行の住宅ローン審査申し込み基準である最低年収250万は一応クリアしていたので、交渉してみることにしました。
金利値下げ交渉の前に準備したこと

金利引き下げ交渉をする前に、準備したことをまとめておきます。
❶現在の借り入れ状況を確認する
mua家の住宅ローン借り入れ状況は以下の通りです。毎月お給料口座から自動的に引き落とされるので、残りの借り入れ期間や残高を久しぶりにチェックしました。残り22年。ため息しか出ない…。
❷目標金利を設定する
横浜銀行のサイトによると、住宅ローン(借り換え)の借入金利は、変動金利型で年0.450%と案内されていました。
前回は公開されている金利で提案してもらえたので、今回も0.450%までなら下げてもらえるかも!
❸借り換えでいくら削減できるか試算する

次に、住宅ローン比較サイトモゲチェック 住宅ローン診断で借り換えメリット額をシミュレーションしてみました。住宅ローン残高や返済期間、現在の金利を入力すると、借り換えでいくら節約できるかがわかります。
結果は…


なんと!?現在ベストなローンとな!?
本当に現状がベストなのか確かめるために、金利が下がるとどれくらい返済額が変わるのか自分でも計算してみました。(※シミュレーションサイトの結果をまとめているので、0.6%の返済額は現実の金額と少し誤差があります)
返済額/月 | 差額/月 | 返済総額 | 差額/総額 | |
---|---|---|---|---|
0.6% | 50,693 | – | 13,332,198 | – |
0.55% | 50,421 | 272 | 13,260,628 | 71,570 |
0.5% | 50,149 | 544 | 13,189,319 | 142,879 |
0.45% | 49,879 | 814 | 13,118,244 | 213,954 |
0.4% | 49,610 | 1,083 | 13,047,435 | 284,763 |
0.35% | 49,342 | 1,351 | 12,976,855 | 355,343 |
0.3% | 49,074 | 1,619 | 12,906,541 | 425,657 |
0.3%まで下がると返済総額が42万ほど節約できる結果に。借り換えにかかる諸費用が低く見積もっても40万はかかるため、借り換えのメリットはなさそうですね。
横浜銀行が公開している金利0.45%に下がれば、月々814円の節約に。手数料が前回と同じ5,800円と想定すると、8カ月で元をとれそうです。

❹他行に事前審査を申し込む
次に、他の銀行に借り換えの事前審査を申し込みました。我が家の場合、借り換えのメリットがないことがわかりましたが、金利交渉をするには他の銀行の審査結果があった方が説得力が増すからです。(※1回目の交渉で実証済み)
モゲチェック 住宅ローン診断の住宅ローンランキング上位の銀行から、口座を開設せず事前審査ができる以下の3行に申し込みました。
銀行名 | 金利 | 保証料 | 事務手数料 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
auじぶん銀行 | 0.319% | 不要 | 借入金額×2.20%(税込) | 三菱UFJ銀行とKDDIが共同設立した銀行 auユーザー向け特典あり |
三菱UFJ銀行 | 0.345% | 不要 | 借入金額×2.20%(税込) | 安定のメガバンク! ビックカメラやコジマでの家電購入特典あり |
イオン銀行 | 0.430% | 不要 | 借入金額×2.20%(税込) | イオングループでの買い物が5%off 全疾病団信に無料で加入可能 |
ネットから事前審査を申し込めるので、手元に書類を用意して順番に入力するだけで手続きが完了します。銀行によりますが、事前審査では主に以下の情報を入力しました。

3行とも審査申し込みから2日以内に「審査通過」の連絡が来ました。
これで交渉の準備は整いました!
いざ横浜銀行に住宅ローン金利交渉!結果は…!?

住宅ローンの交渉タイミングは決算時期の3月と9月に行うのがベストなのだとか。
決算時期に他行に借り換えられると、決算に影響してしまうからです。今回FPさんに相談したのも9月だったので、月内に交渉できるよう急いで準備を進め、なんとか9月内に間に合いました!
実際の交渉内容と結果
実際に電話するのは名義人である夫です。相談窓口は平日のみの稼働だったので、以下を伝えるようにメモを渡し仕事の休憩時間に電話してもらいました。
ドキドキしながら待機していると、夫から連絡が。

0.6%は十分低いから、これ以上下げられないらしい

……!!
でもwebには0.45%と書いてたよ!!

それは新規で借り入れする人の金利なんだって

……!!
他の銀行は0.3%台って伝えた??

伝えた。
「でも借り換えすると手数料がかかりますよ」って言われた
はい…結果は撃沈でございました。
しかも顧客情報を確認する前に、現在0.6%と伝えただけで門前払いだったようです。
色々準備をして挑みましたが、モゲチェックの借り換えメリットの結果にもあったように、現状で充分ということなんですね。

しかも、引き下げ交渉のタイミングも関係なかったかも。
時期を気にせず、思い立った時に交渉してみてください!
今後の住宅ローン金利上昇にどのように備える?

現在の住宅ローン金利が最善だったとしても安心はできません。今後いつ変動の金利が上がるかわからないからです。
我が家は借り換えができない、金利引き下げもできないということがわかったので、繰り上げ返済を視野に、貯蓄を進めることにします。

金利が上がった時に繰り上げ返済する
→元本を減らす
→毎月の返済額を減らす
のが目的です。
FPさんとIFA(独立系資産アドバイザー)さんに相談して、2024年からiDeCoの積立をストップすることにしたので、代わりに新NISAで運用して返済金を作っていきたいと考えています。
保険チャンネルとは別に、オカネコでも将来のお金や投資資産運用について相談しました。そこでもiDecoはストップした方がよいといわれたんですよね。
住宅ローンの金利交渉してみた|まとめ

前回と今回の住宅ローン金利交渉についてまとめました。
他行への借り換えるとなると手続きが面倒ですが、事前審査に通過していれば、自信をもって引き下げ交渉に挑めます。
2回目の金利交渉成功はなりませんでしたが、「現在良い条件で借りられているんだな」と実感できました。
今後も金利の情報を常にウォッチしながら少しずつでも貯蓄を続けます。いざというときに繰り上げ返済できれば、金利上昇対策にもなりますしね。

住宅ローンの負担を少しでも減らしたいと考えている方の参考になればうれしいです!

コメント
初めまして。
我が家も旦那がうつ病なのですが、
住宅ローンの借り換えについて調べていて
こちらの記事に辿り着きました。
現在、変動金利1.175%なのですが、
モゲチェックで査定したり調べたりしたものの
うつ病があるので他社借り換えは難しいです。
そこでお聞きしたいのですが、
現在の銀行に金利引下げ交渉の時、
旦那様のうつ病のことは伝えずに交渉されましたか?
引下げ交渉なら伝えなくても問題ないものでしょうか?
教えて頂けると嬉しいです。
るいさま
初めまして!コメントありがとうございます。
旦那さまがうつ病とのこと、気苦労の絶えない日々を過ごされていることかと思います。
「現在の銀行に金利引き下げ交渉をした時に、うつ病のことを伝えたか」
についてですが、私は伝えていません。
担当者さんから聞かれることもありませんでした。
「乗り換えを検討しているので、引き下げを!」と淡々と希望だけを伝えたかと思います。
金利変更の手続きをした際の書類控えを見てみましたが、
健康に関する表記などもありませんでしたので
保険の手続きとは無関係だからなのかな?と思いました。
(当時手続きをしに窓口に行ったとき、聞かれたらどうしよう、とドキドキした記憶はあります)
FPさんに家計相談をして、引き下げ交渉の提案をしていただいた時も
夫がうつ病とわかっていてのアドバイスだったので、
金利変更には影響ないのかと思います。
あくまで我が家の場合、という回答になってしまいますが、参考になると嬉しいです。
無事金利引き下げ交渉が成功しますように…!
早速のお返事ありがとうございます!😊
お気遣いのお言葉もありがとうございます。
体験談、参考になります!
言わないでも交渉可能かもしれないんですね。
準備して一度交渉するのもアリかもしれないですね。
もし聞かれたら今の金利に影響するのか?も
逆に気になりますが….(笑)
もう少し調べて準備が整ったら行動に移してみますね!
本当にありがとうございました!😆
体験談が参考になると言っていただけてうれしいです☺
こちらこそありがとうございました!
住宅ローンの金利交渉を検討しており記事に辿り着きました。我が家は夫が金利交渉に乗り気ではなく、妻の私が現在の借入地銀に交渉しようと思っています。やはり本人でないと難しいでしょうか?
けごさま
メッセージありがとうございます♪
ご主人が金利交渉に乗り気でないのですね…>< 横浜銀行の場合は、私から電話すると「再度契約者ご本人からお願いします」と言われ 本題に入ることもできませんでした。 「本人確認をしてから現在の借り入れ状況を確認するため」とのことでした。 そこで、夫に仮審査結果(仮審査は妻でもできます)を見せ、 「返済額が下がるかもしれないから、金利を安くできないか聞いてほしい」とお願いしました。 あと、手間をかけないよう伝えてほしいことを箇条書きにして渡しました。 自分で交渉できると楽なのですが、、できないのでひと手間かかりました(泣) あくまで我が家の場合、とはなりますが参考になると幸いです!